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2016年4月14日木曜日

160319 広瀬浩二郎さん講演会 触る感動、動く触感~「見えない世界をみる」身体知の探究~ 


160319広瀬浩二郎さんの講演会

触る感動、動く触感 ~「見えない世界をみる」身体知の探究~ 
講座案内

触常者の方3人含む30人を超す方にご参加いただきました。

今回もお話し聞くだけでなく、‘触る‘‘聴く‘‘動く‘のワークが織り込まれた講演会。

「触りたくなる」本をめざした近刊3冊の表紙の‘進化‘を、実物を回覧(回触?)して実感したり、見えない袋に入れられたモノをまわして手探りで当てるワークもしました。

触察したモノを手に話す広瀬さん
平家物語の一節について、広瀬さんが現代語訳を読上げてくださって意味をつかんでから、琵琶法師の語り(CD)を、全身を集中させて聴きました。
人の語りから、みたことのない情景を頭の中にそれぞれ思い描く、発し手と受け手がいて成り立つ世界がある・・・昔の人々もそうやって楽しんできたんだぁなと、昔の人と少しつながったような気にもなりました。

目を使わずに、手首をふれあわせた状態から相手を感じて反応する・・・離れた状態から相手を感じるにはまだまだ修行が必要ですが。
目を使わないで相手の動きを感じてみる、そんな体験を最後にしました。

近くの人同士で体験中

講演会終了後は恒例の茶話会。
オカリナ奏者の方から一曲プレゼントというサプライズも!

15人くらいでテーブルをかこんで

広瀬さん、参加頂いたみなさん、ありがとうございました!


参加者の感想
・ユーモアあふれる広瀬さんのお話しが楽しかったです。あっという間の2時間でした。

・さわって考える、その考えるプロセスが大切だという言葉が印象に残った。

・見えてわかった気になっていることに気づきました。

・広瀬さんが平家物語を点字を触りながら読んでくださっている指をみながら聞くと、とても立体的 に感じ、指から香りが見えるようでした。

・久しぶりに触ることをしました。合気道はドンくささがわかり、面白かったです。

・生身の体で触れる、見る、聞くなど、ライブでしか得られることがないものを感じました。

・黒袋の中の物に触れて、手ざわりや重さや、何なんだろうと想像するのは楽しかったです。

・琵琶法師の語りを聞いて、義太夫節も同じだなと思いました。一人で情景や人格を語り、それを聞く側も想像するという日本の音曲の素晴らしさを再認識しました。

・差別解消法に向けてどのようなことが出来るか、考える機会ができたと思う。

・隣に座った人同士で感想を述べ合ったことも楽しかった。

・この手の学習会に参加するときは「生まじめ」な態度で臨まなければならない!と思ったりしてこの現場に来たのですが、もしかしたら、そうじゃなくて、あんまり、そんなふうに考えないで、ごくごく自然体で接する、それでいいのかなぁ~と今、思ったりしています。おちゃめな(失礼)広瀬先生のひととなりを拝見してて、そう感じました。

2015年2月24日火曜日

20150214広瀬浩二郎さん講演会

広瀬浩二郎さん講演会
「風を観るーーユニバーサル・ミュージアムと観光・まちづくり」
  
講師の広瀬さんと参加者の皆さん
講師、スタッフ、手話通訳さんとあわせて50人の人が集まり、広瀬さんのお話と、はじめて会う方と対話を楽しむ時間となりました。
触常者の方6人、ろう者2人、磁気ループユーザー(弱視難聴)1人、車イスユーザー2人に参加いただき、多様な方たちの居る場、交流の場ともなりました。

広瀬さんならでは!のご活動、研究からのお話は本当に興味深く、「2時間は短くはないけれど、時間が足りないと感じるくらいでした」(参加者の感想から)。

参加者の感想

・いつもながら、とても楽しい講演会で、時間があっという間でした。
 広瀬さんの「語り」のスタイルが、まさに語りならではの魅力だと感じました。

・広瀬さんのお話は、個人的な背景から、社会的・歴史的・文化人類学的な背景など、いくつもの視点がもりこまれ、「おはなし」としても「まなび」としてもおもしろかったです。
「障害」は「マジョリティ」の論理であり、互いの違いを異なる文化として互いに敬意を持って向き合うことが大切だと感じました。

・皆を一つの方向に近づけるのではなく、その人ならでは(その人だからこそできる)の何かを活かし、交流していくという視点を諸々のエピソードから感じました。

・「手移りできない真剣さ」と「辞書を引かずに鍛えた類推力」が興味深かったです。

・多様な文化や価値観を共有できる機会(社会づくり)がもっとあるといいなと改めて思いました。もっと積極的にいろいろな人と価値観を語り合おうという気持ちになってきました。

・マイノリティの方たちの「特殊」能力を尊ぶ社会があったことは、日本文化にとって大変重要なことだったろうと推察される。違う文化、違う能力を大切にすることがこれからも尊重されるよう、一人一人が意識する社会であって欲しいと思った。

・はじめて参加させていただきました。大変勉強になり、ありがとうございました。
 目に見えないことがどんなものか?耳が聞こえないことがどんななのか?
 いろいろ考えさせられる会でした。
 最後の10分間のトークはとても新鮮でした。知らない方たちとのほんのひとときでしたが、
 会話ができ、大変学べました。

2~3人でグループになりおしゃべり。会場はにぎやかに。

2012年3月2日金曜日

2011.11/12広瀬浩二郎さん「手学問のすゝめ」

共催講座    バリアフリーいっしょに楽習会
~さわっておどろく「手学問のすゝめ」~ 

筑波学院大学

2011年11月12日(土)13:00~15:30
筑波学院大学の学生さん4人を含め、25名の参加で行いました。

ロの字型のテーブルの周りに参加者が座り、囲まれた中で広瀬さんがお話中

広瀬さん中心で開催された、大阪みんぱくでの「ユニバーサルミュージアム」についてのシンポジウムのお話では、耳の不自由な方の参加申し込みがあり、方法として

『遠隔情報システム』
会場の音声をBluetoothマイクで遠隔地(その時は沖縄と長野)に送り、PC要約したものを会場で参加者が持つiphoneなどに表示する

方法だったそうです。

そのシンポジウム当日に、それまでメールでやりとりをしていた全盲の広瀬さんと耳の不自由な方が、会場で直接対面したときには方法がなくてやりとりが少し難しかった、メールでは「普通」に会話が出来るのだいうことに改めて気づいた、とのお話がありました。

お話しする広瀬さん

広瀬さんの楽しく軽快なトークの中、示唆に富むお話や考えさせられる話題がたくさんありました。

机をまわって参加者にモノをわたす広瀬さん

アイマスクが配られ、広瀬さん手ずから参加者に「鑑賞物」を配布。

アイマスクをしてモノを鑑賞する男子学生さん


参加者は交代でそれが何なのかを、さわって鑑賞、当ててました。

アイマスクをしたまま、音楽を鑑賞も、しました。
全身を耳にしてみなさん聞き入っていました。

参加者の感想
①いかがでしたか。
②特に印象に残ったことがあれば教えてください。

男性20代つくば市
①私自身視覚障害者(弱視)で、広瀬先生の話で共感できるところがたくさんありました。自分の盲学校時代を懐かしみながら聞くことが出来、とても有意義な時間を過ごせました。本当にありがとうございました。

女性40代つくば市
①先生が話し上手で楽しかったです。初めて参加しましたが、「触覚」でモノの形などを認識するのって難しいですね。
②自分の触覚の貧しさ
(さわっても全くなんだか想像がつかないものもありました)

女性40代つくば市
①今回3回目。毎回少しずつ内容が違って、毎回、イマジネーションが広がります、楽しかったです。
②全身でハグして見る!!すてきです!

女性40代つくば市
②・視覚障害者と聴覚障害者のコミュニケーションの話。
・さわって想像することは知的なこと。

男性10代土浦市
①楽しかったです。アイマスクをした人と一緒に歩くという体験はしたことがあったのですが、モノの手ざわりから視覚について考える体験は新鮮でした。
②美術館の話が出たときに、視覚がない状態でどう楽しめばいいのか、そういうことを考えると難しくなるが、考えた事がないことを考えるのは楽しかった。

男性40代石岡市
①視覚外の感覚は日常でも頼りにしているな、と改めて思いました。
②発想を楽しんでおられるのが印象的。

女性40代石岡市
①楽しいワークショップでした。アイマスク一つで触覚が研ぎ澄まされる感じがしました。
②音球がとても不思議なものに感じました。アイマスクをとったら想像と全く違うものだったのでびっくりしました。

男性20代東京
①著書を読んでから参加しましたが、実際に体験してはじめてわかることが多いと感じました。
②みえないところにとても多くの重要な情報があるということ。

男性10代水戸市
①アイマスクをしてさわってみるのが予想以上に面白かった。
②親指ピアノの手作り感がすごかったこと。

男性20代千葉県栄市
①日ごろから「視覚に依存した生活」をしていることが多いため、さわって楽しんだり、見えない中での音楽はとても新鮮でした。
②講演会後半、見えない中でもの(対象物)を触ると。
 見れば一瞬、というのが触ると全然分からなかったです。

男性10代阿見町
①さわってみて想像をすることがとても難しいことだと思いました。
②いろいろなところを触る感じが、すみからすみまで探ろうというような感じと似ているところが印象に残りました。

後日、参加してくれた筑波学院大の学生さんの体験・感想文が
常陽新聞に掲載されました。(2/16付常陽新聞から)

「さわる文化」に触れて

経営情報学科1年 土田 康平

筑波学院大学で昨年の11月12日に開催された、つくば市民大学・つくばバリアフリー学習会共催講座「さわっておどろく『手学問のすすめ』」に参加しました。実践科目の活動としては講座への参加が主で、私が協力できたのは、参加者のために案内用の掲示をすることなど会場の準備や後片付けだけでしたが、少しでも役に立つことができてよかったと思います。
 講座では最初に講師の広瀬浩二郎先生の「さわる文化」という講演を聴きました。先生は13歳のときに失明されたということですが、京都大学に進学し、現在は国立民族学博物館に準教授として勤務しておられます。著書も多く、大変な努力家だということがわかります。「目は見えなくなったが、その代わりにさわって見る豊かな文化に出会っている。目が見える人にこそそうした体験をしてほしい」と話されました。「目の見えない人にとって、芸術鑑賞とは作品に触れることだが、それができない美術・博物館が多く、やさしくない」とうかがって、触れる事のできる展示が増えていくといいと思いました。また先生が、「『握手』はコミュニケーションとしてとても重要だ」ということを話されたのが強く印象に残っています。
その後行われた「ワークショップ」では、アイマスクをして実際に物に触れたり、音楽を聴いたりしました。目で見る事ができないので、手で形や素材などを感じ取りながら、想像力を働かせて触れたものを理解しなければなりませんでした。手でさわって、時間をかけて物それ自体を感じるという、「さわる文化」を体験しました。音楽も、楽器や演奏者が見えないので、音を集中して聞くことになりました。
 視覚に障害をもつ方たちのことを理解し、自然に交流できるようになりたいと、このプログラムを選び参加しました。いつもは目に頼っていたことを手や耳に意識を集中させて感じるという今回の体験を通して、目が見えないという事とはどういう感じなのか、少しですがわかってきました。私たちの周りにいる視覚障害者の人やお年寄りに何かサポートする時役に立つ経験でした。このような講座があることをもっと多くの人達に知ってもらって、視覚に障害のある方たちと交流する機会が増えていくといいと思います。

2010年12月6日月曜日

11/27(土)広瀬浩二郎さんの講演会

11/27(土)、国立民族学博物館の広瀬浩二郎さんに
万人のための“点字力”入門~「さわってみる」フィーリングワークの魅力~
と題してお話いただきました。

講演会の会場の様子

はじめに、
広瀬さんたちが2001年からされている「視覚障害者文化を育てる会(4しょく会)」の活動について。

4つの「しょく」・・・

食=誰にとっても共通して楽しい食。同じ「人」として一緒にできる・楽しむ所を共有する。

色=視覚障害者にとって縁遠いと思われ遠慮されがちな色の話題。でも色についての情報も大切で『見常者』の目を通したり支援機器を使うことで共有できる。少しの工夫で一緒にできる。

触=目を使わない『触常者』の得意分野。さわって楽しむワークショップや自然観察会などで『触常者』のオリジナリティを発揮。

職=自立した生活には「職」のことが大事。就労の問題を考える。

を軸に年数回、活動しているそうです。

この「4しょく会」のように「文化」として提示できるようになったのは
「生存権」が満たされた21世紀になってから。

その説明として、視覚障害者の大学進学の歴史を、
切り開いてきた先輩たちに敬意を表しながらお話くださいました。

戦前 盲・ろう学校卒業では高卒の資格がとれないので大学進学は無理。
戦後 盲・ろう学校の義務化で高卒資格=受験する資格取得が可能。
   でも、入試や入学してからの対応ができないとして「門前払い」多発。
1950・60年代
   門戸開放、機会は与えて欲しいとの働きかけ
70~80年 少しずつ大学進学者が増える。
   でも、授業での必要な配慮はなく、学生同士の助け合い
80年~ 門戸も広がり、点字受験もふえる。
   PCの登場(音声読上げ機能など日進月歩)、
   ボランティアによる支援体制等、学習・生活環境が整う。

視覚障害者を取り巻く環境で少しの改善しかみられないのは就職、
とのことでした。

お話しする広瀬さん


後半の話題は、さわってみる「さわる文化」について。

一番訴えたいのは、視覚障害者に対するイメージを少しでもかえること。

昔の小学校国語教科書にある、江戸時代の塙保己一(はなわ ほきいち)の話題。

その頃の視覚障害者の職業とされた按摩・鍼・音曲はものにできず、やむなく自分の得意の学問好き、聞いて覚える記憶力を生かして大学者になったこと。
夜の講義中にろうそくの火が消え、「文字が読めない」と困る生徒と対照的に問題なく講義を続け「目あきとは不便なものだ」と語ったという話。

自分にないものでなく持っているものを生かすことで別の事が「できる」、
また、
夜の講義のエピソードでは、場面や環境によっては便利と不便が逆転するなど、
物事をいろんな角度からみる大切さが伝わる教材だったそうです。

ウィキペディア
塙保己一(はなわ ほきいち)


視覚が使えない不自由な人、
ではなく、
視覚を使わない、目のかわりに別の方法を使う人

そんなイメージを広げるよう、「さわる文化」を切り口に
展覧会やワークショップを企画・実施されているそうです。
今年度中には保育園のこどもたち向けのワークショップがあり、
どのようにするか、どんな反応か?楽しみに計画しているところ、
とのお話でした。

特定の人に限られてしまう「視覚障害者文化」ではなく
誰にでも開かれて共有できる「さわる文化」を示すことで
さわって「学ぶ」「楽しむ」「驚く」を共有できる・・・

さわってはいけないとされる美術作品の中でも、彫刻は
さわってこそ「作者」と「作品」と「さわって鑑賞する人」の
3つのエネルギーが合わさって伝わるものがあるのだそうです。

『触常者』と「さわってみるフィーリングワーク」を
共有することで、『見常者』が自分の感覚を再発見したり、
視覚障害者に対する見方が変わる=新しい発見をする。
感覚の使い方が違う異文化と交流するところに面白さがある、
とのお話でした。

広瀬さんのライフワーク「ユニバーサルミュージアム」についての
企画展を数年後に計画されているとのことでした。

最後に、『障害者』のがいをひらがなにした『障がい者』という標記について。
表面的に「害」を「がい」に言い換えるのでなく、「障害者」という言葉・・・一方的にマイノリティに貼り付けたレッテル・・・自体を問い直し、「多彩な人間観が許容される成熟した社会」※1、ユニバーサル社会にむかうことでなくしていく・なくなっていくのが理想、とのお話でした。
※1広瀬さんの『万人のための点字力入門~さわる文字からさわる文化へ』から


講演会終了後、交流会を行いました。
テーブルをぐるりと囲んで話しています

多くの方に参加頂き、感想と、それぞれの方の経験からのお話、
講演会最後の話題である『障害者』標記についてのご意見や、
さわってみること=触察の有用性の話題など話しました。

人のあり様(よう)の、多様性の豊かさを教えてくれる広瀬さん。
これからのご活躍がますます楽しみです!!
ありがとうございました。

参加者のアンケート

①講演会はいかがでしたか?感想をお願いします。
②特に印象に残った事があれば教えてください。

千葉県市川市 50代女性
①大学の変遷がとてもよくわかり興味深かったです。1960年産まれの私にとって文化が元気だったのは80年代です。海外からいろいろなアーティストがきたり、展覧会が開かれたり・・・(バブルという面があったと思いますが)しかしその当時は絵や音楽=文化であって、障がいを文化として見るというような発想は皆無だったと思います。21世紀になって障がいという文化が育ってきたというお話は新鮮で、なるほどそうだったのかと思いました。ろう者が独自のろう文化を打ち立てたのに対し視覚障害の方が一般社会にどうかしようとしたのは、どんな違いによるものなのか調べてみようと思います。

②(1)視覚を使えない→使わない文化、の説明が興味深かったです。
(2)彫刻を触る 作者・作品・観覧者 三者のエネルギー
(3)さわって学び、楽しみ、驚く。触る文化はみんなに平等。for万人。
(4)「触常者」と「見常者」

つくば市40代女性
①大変興味深かったです。
②保育園ワークショップ、とても興味深いです。是非次回お聞きしたいです。

つくば市50代女性
①広瀬さんの今までの体験を通したお話、とても興味深く拝聴しました。
うんうん、とうなずくことも多くありました。「障害者」という文字についての考え方も、表面的な漢字のみにとらわれている社会常識について考えてしまいます。多くの人が自然に、ともに生きて生活していければと思っています。

2009年10月26日月曜日

10/24広瀬浩二郎さんのワークショップ報告

10/24(土)、広瀬浩二郎さん

参考webサイト:
国立民族学博物館 研究スタッフ紹介 広瀬浩二郎
http://www.minpaku.ac.jp/staff/hirose/

のワークショップ
「さわる文化への招待」~暗闇でさまざまなモノを“みる”手学問のすゝめ~
を行いました。

目を「使えない」ではなく「使わない」を体験するための
アイマスク体験であること、はじめにお話がありました。

アイマスクをした参加者。隣同士で握手で挨拶
テーブルを囲んで、参加者の方たち、はじめ緊張気味でしたが
ワークショップがはじまり、アイマスクをして隣の人と挨拶
・・・声を掛け合ってようやく握手が出来ると自然と笑顔になり、
会場は笑い声でいっぱいになりました。

「考える、交わる、耕す」=「3こう」
   『さわる文化への招待――触覚でみる手学問のすすめ』(世界思想社)
   http://www.sekaishisosha.co.jp/cgi-bin/search.cgi?mode=display&code=1411
   に説明ありますのでご覧下さい

の3部構成でワークショップは進みました。

手にしたものを触察し、ことばで説明している参加者
参加者の感想

①ワークショップはいかがでしたか?
②得に印象に残ったことがあれば教えてください。

①面白かったです。ヘレンケラーのお話もよかったです。
触覚をもっとフルに磨きたいと思いました(^-^)ありがとうございます。
②みえない、でなく、みない、他の感覚を磨くためにみない・・・いろいろな、自分の欠点や他人のマイナスも、これからはそのように見ていけたら世の中がさらに楽しくなりそうですね、ありがとうございます。
(40代女性 つくば市)

①とても楽しかったです。アイマスクをして実際に目を使わず体験してみると、普段いかに視覚に頼っているか、よく感じられました。
②国旗のカードが楽しかったです。時間があればもっといろいろな国のものを見てさわってみたかったです。
(30代女性 牛久市)

①日ごろ使っていない感覚を刺激するのは楽しいことでした。時々そういう体験をすると感覚が鈍らなくて良いかと思います。
②国旗を手で触ることがほとんどないので新鮮な体験でした。
(30代女性 つくば市)

①アイマスクをしたっとたんに何か話をしていないと不安になる気がしました。日ごろ見ていることだけでコミュニケーションをしている、つもりになっている、のだと感じました。「見ない」ことが「面白い」ことだと知りました。
②点字を読んで「触覚を耕す」という経験。駅などの点字が「よく触るだけでわかるものだ」と思っていたが、訓練がやはり必要なのだと知りました。いつも使わない脳みその部分、いつも使わない腕の筋肉を使ったように思います。
(40代男性 埼玉県富士見市)


①目で見るものと手で触れて感じるものの違いがすごく大きいと思った。
視覚を封じてしまうと他のところ(感覚)が研ぎ澄まされると思った。
②ハタを触ったり、点字に触れたこと。さわってみるのとアイマスクをとってみたのでは大きな違いだった。点字は大きく打ってあるのにアイマスクをしているときは小さく感じた。
(30代女性 我孫子市)

①普段使わない触角を活用していろいろ考えるということは、日常生活では機会がないので新鮮な経験でした。逆に言えば、いかに視覚に頼っているかとのことで、他の五感を生かしてみたいと思います。触覚・聴覚をもっと使えるようになりたいです。どうもありがとうございました。
②民族楽器やおもちゃを想像したのが面白かったです。ネタが世界各国のものだったのがよかったです。
(40代女性 つくば市)

①非常に面白かった。日々の感覚ではない感じを覚えて、ためになった。
②点字の体験。1時間アイマスク。
(30代男性 東京都北区)

2008年12月6日土曜日

広瀬浩二郎さんのWSレポート

バリアフリーミーティングinつくば

暗闇でさまざまな物に“さわる”「触文化」体験ワークショップ
手さぐり、手ざわり、そして手ごたえ
~「つるつるとしなやかに、ざらざらとしたたかに」生きるために~
を11月15日(土)、筑波学院大学の教室で行いました。  

国立民族学博物館の広瀬浩二郎さん。
グループでテーブルに座る参加者を前にお話しする広瀬さんみんぱくHPhttp://www.minpaku.ac.jp/staff/hirose/

NHKきらっといきる 「行けば何とかなるさ!~フィールドワーカー広瀬浩二郎さん~」http://www.nhk.or.jp/kira/04program/04_190/01.html

「視覚障害者」という見方でなく、いつも触ってものを「みて」いる人=触常者ととらえ、だからこそ伝えられる“さわる”世界の創造的可能性を体験できるワークショップ。

6人ほどでテーブルを囲み、アイマスクをして広瀬さんのナビゲートでさまざまなことを体験しました。
カーテンを閉めた教室でアイマスクをした参加者が立って話を聞いている様子 中身は・・・次回参加されたときのお楽しみ。
参加いただいた皆さんの感想からご想像ください。
(アンケートにご協力いただいたみなさま、ありがとうございました)

アンケートの内容
①ワークショップはいかがでしたか。ご感想をお願いします。
②特に印象が残ったことがあれば教えてください。(いくつでも)
③ご意見などありましたらご自由にお書きください。


①このように、長時間見えない体験は、初めてでした。いつも視覚に頼っている部分が大きいことを、実感しました。今日は、アイマスクをすることで、視覚の部分をほかで補おうと、一生懸命考えたり、イメージしたり、何とか伝えようとしたり、今までにない力を使った気がします。広瀬さんのお話は、分かりやすくて楽しくて、いいですね!楽しかったです。

②触覚の力を、今からでももっと伸ばしたいと思いました。もっと耕したいと思います。隣の人と握手をしたときに、見なくてもいろんなことがわかってビックリしました。

③今後もぜひ、いろんな場で、このような体験ワークショップがあればいいと思います。ぜひ幅広くPRしてください。
(30代女性 茨城県)


①はじめての体験でドキドキでしたが、「楽しかった!」の一言です!はじめの緊張は、先生の笑い有りのお話で、とんでいました。新しい発見もあり、これから、考、交、耕を意識して生活していけたら私の中に眠っているものがおきるかもしれませんね。

②目から入ってくる情報が当たり前の生活の中で、みえないことが怖く感じました。でも、きいたり、触れたりしているうちに、どうやった らしれるのか、怖さより、興味のほうが大きくなってました。「見えない」では、なく、「みない」で、物事を見てみたら、違った見方 ができますね。
(20代女性 茨城県)


①普段は視覚に頼って生活しているので、聴覚と触覚だけで1時間過ごした経験は、貴重でした。モノを触って何であるかを考えるのは、難しいですが、時間をかければ、これまでの記憶を頼りに、判断できました。

②点字は、点の個数が増えると区別が難しいですが、慣れるとすらすら読めるということで、トレーニングすれば、触覚も鍛えられるのだと、感じました。

③このような機会が再びあれば、ぜひ参加したく思いました。
(30代男性 東京都)


①1時間、視覚を使わずに何かをする、考えるという体験は、強烈でした。障害体験などで、アイマスクをして歩くなどのワークショップはありますが、どちらかといえばそのメッセージは、「目が見えないとこんなに不便」という視覚障害に対する否定的な姿勢が支配的であるように思いますが、今回は、視覚を使わず、耳と触覚によることの豊かさを教えられました。
(30代女性 東京都)


①面白かったです。普段自分がどれだけ視覚に頼って生活しているのか、実感できました。見ることをしないだけで、触覚や聴覚に対する印象ががらりと変わりました。

②・目を使わないと、人の声がいつもより、よく聞こえた気がしました。 
  ・音を聞いただけでは、どんな楽器か、まったく想像が付かなかった。

③次にワークショップが催されるときも、ぜひ参加したいと思いました。
(20代女性 水戸市)


①いろんな人たちと交流が出来てよかった。

②いろいろなものを、さわってイメージが出来てよかった。
(20代女性 つくば市)


①実際にアイマスクでいろいろなものをタッチしてみると、モノに集中して知ろうとする自分の意識にビックリ。
(50代男性 つくば市)


①はじめての感覚でしたが、隣の人との距離感や、物を受け渡す感覚は、意外とつかめるものだなぁと思いました。あっという間に終わった感じです。

②広瀬先生が、歩きながら話すので声の距離が変わるのが、あまり普段ない感覚でした。みえないまま、手の中にものがあると、いつまでもそのものの細部を探ろうとして、いじりまくっていること、みることは、何かを見ようとしなくても常にあるものなので、その代わりに、常にさわっていることで感覚を得てないと不安なのかも、しれません。
(30代女性 東京都)


①はじめての経験でかなり楽しめました。点字で文章が読めるようになるか。気長に遊んでみたいと思います。
(30代男性 世田谷区) 



ワークショップ終了後、アンケートを書いてもらう会場。
ワークショップご参加の方が持参くださったものをみんなで体験させてもらいました。


目の不自由な人と一緒に釣りを楽しむNPOグローバリスジャパンさんhttp://www.npogj.com/水をはったバケツに釣竿から糸をたらして浮きを浮かべる
ウキにFM発信機を内蔵。魚がかかりウキが上下すると電波を発信、受信したFMラジオからぴっぴっと音が鳴ります。
ボイスペンで鳥の図鑑を体験つくば市在住の佐藤文信さんは「ボイスペン」の開発者の方。ご自身「日本野鳥の会」の会員でもある佐藤さんは、目の不自由な人も一緒に楽しめる鳥の図鑑作成にも携わられ、点字の文のそばに貼ってある紙のタグを「ボイスペン」で触ると、鳥の鳴き声と解説がペンから流れます。

2008年10月7日火曜日

11/15広瀬浩二郎さんのワークショップ

バリアフリーミーティングinつくば

暗闇でさまざまな物に“さわる”「触文化」体験ワークショップ
手さぐり、手ざわり、そして手ごたえ
~「つるつるとしなやかに、ざらざらとしたたかに」生きるために~

日時  11月15日(土)    
        第1回 13:00~14:00    
        第2回 14:30~15:30    
        第3回 16:00~17:00
 
会場  筑波学院大学  茨城県つくば市吾妻3-1  
  http://www.tsukuba-g.ac.jp/access.html 
  つくばエクスプレス 東京・秋葉原から45分 「つくば駅」下車、
  A2出口徒歩7分   

 入場無料 各回定員12名

※定員になり次第、締め切らせていただきます。 
 確実に参加したい方は事前にお申し込みください。
※各回、開始15分前に集合場所へお集まりください。 
 (集合場所 筑波学院大学正面玄関ロビー) 
 なお、途中からの参加はできません。

問合せ先 つくばバリアフリー学習会(北村)
  tsukubabf@gmail.com 

   全盲者とは、視覚を使えない弱者なのか、
  それとも視覚を使わないユニークな人なのか。 

最近、晴眼者/視覚障害者という区分に対して、見常者/触常者という新しい呼称が提案されています。本ワークショップでは、触常者であるナビゲーターが体験談を紹介しながら、参加者のみなさんとともに“さわる”世界の創造的可能性について考えます。
「群盲象を撫でる」は否定的な意味で使われる故事ですが、世の中には触文化(さわって知る物のおもしろさ、さわらなければわからない事実)がたくさんあるはず。この触文化の魅力を熟知しているのが群盲、すなわち触常者なのです。
真っ暗な部屋の中で、さまざまな物に“さわる”体験型ワークショップに参加して、見常者と触常者の交流から生まれる新鮮な“気づき”と“築き”を味わってみませんか。「豊かな触生活」があなたを待っています。手さぐりを手ざわりに、そして手ごたえへ!

広瀬浩二郎(国立民族学博物館准教授)
1967年、東京都生まれ。13歳の時に失明。筑波大学附属盲学校から京都大学に進学。
2000年、同大学院にて文学博士号取得。専門は日本宗教史、障害者文化論。 
2001年より国立民族学博物館に勤務。現在は「触文化」「フリーバリア」などをキーワードとしつつ、“さわる”ことをテーマとする講演、ワークショップを各地で行なっている。 主な著書に『障害者の宗教民俗学』(明石書店、1997年)、『触る門には福来たるーー座頭市流フィールドワーカーが行く!』(岩波書店、2004年)などがある。また編著書として昨年刊行した『だれもが楽しめるユニバーサル・ミュージアムーー“つくる”と“ひらく”の現場から』(読書工房)では、ミュージアムのバリアフリーという枠を超えて、新たな障害者像、博物館イメージを提案している。



主催 つくばバリアフリー学習会

共催 筑波技術大学コミュニケーションサークルWOW
後援 つくば市社会福祉協議会