2014年12月16日火曜日

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楽習会 
第1回 サイレント×自然deワークショップ@宍塚(ししつか)の里山 ※
      ~ろう者と聴者で楽しむ自然観察~

ろう者6人、聴者5人で行いました。

○ろう者が見た自然の世界へのインタープリテーション
   
自然が大好き、特にオランウータンとミミズが大好きな
ろう女性二人による謎のコンビ『オラミミ』が登場。
二人のこれまでの自然に対しての経験や、自然の見方・みえ方について
コントのようなやりとりで話してくださいました。

「オラミミ」の二人が手話で熱弁
例えば、
木をよく観察していると、どう成長しながら今の姿にまでなったのか、
頭の中でアニメーションのように成長の記録が思い描かれるのだそうです。

二人ともお互い「やっぱりそうだよね!」と話していたので、自然大好きな二人にとっては共通していることのようです。
 

○音声を使わないグループワーク

グループに分かれて自己紹介後、
・里山を回って観察を楽しみながら「私たちの発見?!」を見つける
・未だない「宍塚(ししつか)」や「里山」の手話をつくってみる
・グループごとにプレゼンする。
のミッションに取り組みました。

各班、何かに呼び止められるかのようにあちこちで止まってじっくり観察。

木の根元、小さな何かをかこんで観察中

音声のない静かな中なので、聴者にとっては、
普段おしゃべりしながらだと聞こえない、小さな小さな鳥の声もとてもよく聞こえます。

手話のわからない聴者がわかるよう、ホワイトボードを使って‘通訳‘してくれるろう者もいました。

地衣類のついた桜の幹でみつけたのは・・・


魚調査に来ていた方が魚を見せて解説してくれたり、野鳥の写真撮影に来ていた方たちが
撮った写真をみせながら野鳥のことを教えてくれたりということも、ありました。

望遠鏡のような大きなカメラで鳥を狙う方の説明を聞く


各班のプレゼンでは、画用紙や全身を使って工夫して表現。
‘逆さ宍塚‘と題した発表では、池に映る山や、カモが泳ぐ姿をたくみに手と体で表現していました。

「宍塚」の手話表現は、漢字にある六をうまく使いながら山と池を表現していてステキで、‘空中に描くロゴ‘のようです。


ろうの方たちは‘見る達人‘で、またその特徴をつかんで、手(や体)で再現するのが
すごいなぁと、改めて認識したワークショップでした。

参加くださったみなさん、ありがとうございました!


【みなさんの感想】

①ワークショップを通して、新しい発見がありましたか?また、それはどのような発見でしょうか?
②ろう者(ろう)と聴者(聴)で、自然の感じ方・見方に違いがあると思われたところはありましたか?また、それはどのような違いでしょうか?
③「ろう者によるろう者が見た自然の世界」の話はいかがでしたか?感想をお教えください。


①新しい発見

・聴者がネコの声にきづいて、ろう者はネコ道をみつけた!力をあわせてみつけたので、すごくおもしろくてフシギな気持ち。(ろう)
・鳥の鳴き声、水面のうつり、木の実(ろう)
・ろう者だけで動くより発見の幅が広がった。ex鳥がいること、鳥の声。(ろう)
・手話主導による自然観察WSによる、手話によるペースがあって安心感がありました。(ろう)
・声を発せず歩くことは私にとって、目、耳に集中できて気持ちよかった。(聴)
・目に見えなくても鳴き声でたくさんの鳥がいることがわかった。(聴)
・見えたものを、特長をつかんでわかりやすく、身体を使って表現することのむずかしさと同時に楽しさ。(聴)


②ろう者と聴者の違い

・鳥の声や、きつつきのつっつく音なども、聴者は聞いているんだなと、感じ方のちがいは感じた。(ろう)
・鳥の鳴き声、川の流れ音、植物がゆれる音を聴者におしえてもらったことです。(ろう)
・(ろう者は)表現の仕方が上手い、特徴をよく見ている。気づきが多い。(聴)
・私は何げなく通り過ぎてしまう様々なものを見落さず見つけていかれること。(聴)
・ろう者の見る力がすごい。見落としてしまう足下のものを発見していた。(聴)


③「ろう者によるろう者が見た自然の世界」について

・お互いに「当たり前」というところをもっていても、気づくことはなかったと思う。(ろう)
・至る所にWSが行われているが、聴者主導で入りづらいと思っていましたので共感がもてました。(ろう)
・手話を使えたらもっと話もしやすいと思うが、ジェスチャー・筆談・顔の表情でも十分気持ちが伝わるし、何ら抵抗を感じなかった。普段、自分自身、顔の表情が乏しいのかもしれないので、今日はとても楽しかったです。(聴)
・日常のことはもちろん、自然のことを手話を使って表現するとこんな表現になるのだ!ということがしれたことがよかったです。(聴)
・耳が聞こえなくてもジェスチャーで簡単にコミュニケーションが取れることがわかりました。(聴)
・聴者が多い行事ではやはり音の情報が優先されてろう者はおいてけぼりのようになってしまうというのがさみしかった。みんな一緒に自然を楽しめるような行事が増えるといいな。(聴)


参加くださったみなさん、ありがとうございました!

※現在のWSシリーズタイトルに統一します。

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