100124(日)『車イスユーザーの家』
車イスユーザーの藤田典子さん
が家を建てるまで、建てるときの事を話いただきました。
高校卒業後、九州の大学へ進学したときからの一人暮らし。
賃貸マンションは、
車から部屋まで車イスで移動可能なところがあり選択したが、
改修は自由にできない、室内には車イスを入れられないという物件。
↓
玄関で車イスを降りて、改修はしないで対応、という生活方法。
キッチンではイスをおいて横向きで作業したり、
コンロ上の換気扇スイッチは棒で押すなど工夫したそうです。
駐車場までの移動が遠く、テラスがないので雨の日は大変。
(車イスユーザーは傘を使わない事が多い)
「濡れないで部屋から車に移動できること」の条件は
家を建てる際にも一番に考えた、とのお話でした。
家をつくるときに参考にした本
光野有次 『バリアフリーをつくる』
〃 『みんなでつくるバリアフリー』
『バリアフリーデザイン~21世紀の豊かな住環境を目指して』
家の中も車イスで暮らす現在の家について、
設計図と写真を示しながら説明くださいました。
○「車イス移動」に関して
病院のOT(作業療法士)と住宅メーカー担当者と3人で一緒に、
自分の行動を実際計って、また、動きを見てもらって、高さや広さを決めた。
・建具のレール、上がりかまち・・・フルフラット(段差なし)
・キッチン、水周り、コンセント・スイッチの高さ
・車イスのタイヤがあたる高さまでの幅木
・車イスで移動しやすい、固めのクッションフロア
・車イスで難なく出入りできる開口幅
BUT
引きやすいようドア取っ手大きなものを選んだら・・・
/戸袋に収まらず確保した開口幅が使えなかった
/網戸がつけられなかった
○行動方法、可動範囲等身体状況の今のことだけでなく、
将来想定されることを考え、その時自分がどう暮らしたいか、
そのためにどんな環境があればいいのか、を考える。
・「なるべく長く一人で入れるようなお風呂に」
・今は「無駄に」広いトイレ。でも介助しやすいよう、広めにスペース確保
・「寝たきりになっても家にいて楽しい!」となるよう、
庭には香りのする花木や季節を感じられる植栽
○車まで雨に濡れずに移動できる
玄関先の軒を可能な範囲張り出し、カーポートに近づける方法。
○自分で管理できる
分電盤をどこからでもアクセスしやすい場所=廊下に、
そして手のとどく高さに設けることで、自分で管理できる仕組みに。
でも立位で届く高さもスペースとして大事なので確保。
賃貸マンションの頃の床の生活と車イス座面での生活・・・
どの高さで生活するのか、今と将来にわたる「動きの高さ」を
考えて設計する事が大事とのお話でした。
スロープではなく、庭全体をつかってゆるやかに家屋の高さまで
到達する傾斜は、利便性だけでなく、ゆとりを感じる美しいお庭でした。
藤田さん、貴重なお話をありがとうございました。
参加いただいた方の感想
①感想
②特に印象に残ったこと
30代男性 さいたま市
①実際の生活に基づいた住環境の工夫についてひとつひとつ教えていただいてとても勉強になりました。特に、身体状況による「高さ」(床面・車イス座面)への配慮の必要性を感じました。
②「高さ」への配慮と導線に対する工夫
40代男性 つくば市
①実体験を聞くことができ、大変参考になった。
40代女性 つくば市
①いろいろな体験を踏まえたお話を聞くことができました。ありがとうございました。
②賃貸マンションに車イスごと入れないということに気づかされました。
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