2019年2月12日火曜日

第5回JGN関東大会in筑波山地域「ユニバーサルデザイン(UD)を学ぶジオツアー(2/2)」と 「分科会①ジオパークでUD(2/3)」【2】


つくばバリアフリー学習会は、筑波山地域ジオパーク推進協議会の市民活動部会会員として活動に参加しています。

20192/2()3(土)、5JGN関東大会in筑波山地域 が開催されました。
その中、筑波山地域担当のツアー・分科会として、「ユニバーサルデザインを学ぶジオツアー」と、ツアーと連動した「分科会①ジオパークでUD」を、杉原薫・筑波山地域ジオパーク推進協議会専門員、市民活動部会の方々、標本館、植物園の関係者のみなさんと検討・準備を進め、実施いたしました。

 2/3(日)は、ジオパークの魅力度アップにもつながるUDということで、UDの概念を知り、より多くの人が知恵を出し合い、環境や情報を整備する事の重要性を学ぶ分科会

スクリーンの右は手話通訳者
今回の分科会の目的と、UDの7原則の紹介に続き、「昨日のジオツアー、どこにUDが隠れてた?」ということで種明し。

続いて、第1部では、3名の方からそれぞれ、施設整備、ガイドの手法、情報媒体について、UDに関連する事例紹介をいただきました。

昨日のジオツアーで植物園を案内いただいた筑波実験植物園の堤千絵さん
「筑波実験植物園におけるUDの取り組み紹介」
手話を交えた堤さんのお話
さわれる植物もいくつか会場にお持ちいただきました
筑波山地域ジオパークの認定ガイドで茨城県北ジオパーク構想のインタープリターでもある上野静子さん
「ユニバーサルデザインを取り入れたジオツアー」

多くの人が視覚優位、目で見てわかる方法が有効とのお話をされています
上野さんがガイドで活用しているフリップ類もお持ちくださいました
視覚障害者・聴覚障害者の方が通う 筑波技術大学 の飯塚潤一教授
「みんなに正しく伝えたいー色覚多様性を考慮した情報発信の重要性―」 
講演中の飯塚先生
色覚特性を体験するレンズでパンフレットをみてみる
 視覚障害を補償するグッズの紹介ブースも用意くださいました

第2部 触れて感じよう!石ころの旅~岩石標本でジオパークと
UDに親しむ~

杉原専門員の司会進行で、筑波山地域ジオパーク推進協議会、教育学術部会・市民活動部会、認定ジオガイドの会に所属する方たちに各班にファシリテーターとして入って頂き、ワークショップを実施しました。
右側に手話通訳

各班にファシリテーターがついて進めます
3人でいちグループになり、2人がアイマスクをして手触りで石を観察し、つるつるからざらざらまで順番にならべ、半分ずつ担当して感じた特徴を言葉にし、メモ担当の人が記入するという分担で進めます。
じっくり触って観察
言葉で表現していきます
アイマスクの方同士2人が、石を触って観察しながら会話がはずんでいる様子がとても印象的でした。

ほおで感触を確かめる方も!

手話を目で見る‘ろう者‘の方には、アイマスクでなく袋で石を隠す
最後に、今日使った石のほとんどが、筑波山地域ジオパークにある桜川の河原のものであること、手で触った表面の感触や石の形が、どのような由来の岩石なのかの手がかりになること、実は現在筑波山周辺にある石ではないものもそこに含まれているということとその理由など、「石ころのジオ的背景」の解説がありました。

今日の分科会のまとめとして、

『・UDを考慮に入れて、相手に伝えたい情報を整理・発信すれば、
  多くの人が同等のレベルでその情報を共有することができる。

 ・難しい専門用語を並べ立てなくても、五感を活用できる施設や
  グッズ、ガイド手法などがあれば、より多くの人にジオパークを
  もっと楽しんでもらう事ができるはず!

  あなたのちょっとした気づき、配慮と工夫が、あなたのジオパークを
  もっと魅力的なものにします!』

と、杉原専門員からお話がありました。
司会進行では、ワークショップの流れをイラストや図を多用したパワーポイントで、とてもわかりやすく説明していただきました。

分科会の記念品として、筑波技術大学飯塚先生のご協力で、点字プリンタで印刷された点字用紙を使い、つくば市にある「みもり園」の作業班の方たちが作成した封筒と、土浦市にある「尚恵学園」の木工班の方たちが作った、筑波山地域ジオパークのロゴの木工品、そして、参加者のみなさんの「点字ネームシール」を用意させていただきました。

点字用紙封筒とロゴ木工品。
ユニバーサルミュージアムの活動をされている方から
浮き出し点字カードのプレゼントもいただきました
今回のツアー・分科会で触れたUDは、あくまで一つの例で、きっと、みなさんのジオパークですでにそれぞれ、されていることがあると思います。
一人ひとりの気づきや工夫・配慮が、より多くの人の参加を可能にするだけでなく、より楽しくし、ジオパークの魅力をいっそう引き出すことにもつながる・・・今回のツアーと分科会でみなさんと再確認し共有できていたとしたら幸甚です。今後もジオパークのUDについて情報交換等させていただけましたら大変ありがたいです。

参加者の皆さんの積極的な参加と、標本館・植物園の方々はじめ、多くの方のご協力があって二日間のツアー・分科会を無事行うことができました。
参加者の皆様、関係者のみなさまに心より御礼申し上げます。
本当にありがとうございました!!

大会前に「ニュースつくば」鈴木記者に取材していただきました。
ニュースつくば



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