つくばバリアフリー学習会は、筑波山地域ジオパーク推進協議会の市民活動部会会員として活動に参加しています。
その中、筑波山地域担当のツアー・分科会として、「ユニバーサルデザインを学ぶジオツアー」と、ツアーと連動した「分科会①ジオパークでUD」を、杉原薫・筑波山地域ジオパーク推進協議会専門員、市民活動部会の方々、標本館、植物園の関係者のみなさんと検討・準備を進め、実施いたしました。
2/2(土)は、ツアー中の「UDの工夫ポイント」にも注目してもらいながら、主に筑波山について楽しく学ぶジオツアーを実施しました。
車イスの方でも気軽に利用して見学を楽しんでいただけるよう、つくばサイエンスツアーバスは、車内の出入り口が低床で階段がないノンステップバスで運行しているそうです。今回は特別に、サイエンスツアーオフィスのガイドの方が同行くださいました。
一つ目の訪問先、地質標本館 では、「筑波山と周辺の地形」と、「岩石の風化の違い」について学びました。
館名石の前でフリップも使い説明いただく
手話通訳が丁度「筑波山」という手話(立てた親指が男体山、
小指が女体山を示している左手の上を、
人差し指でM型に峰の形をなぞる)を表しています
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はじめに標本館の入り口の、館名が彫られた岩の解説とともに、標本館の紹介と、筑波山とその岩石についてお話がありました。
館名石をさわって観察 |
館名が彫られている大きな岩は斑レイ岩(はんれいがん)。
粒粒が特徴的との解説の後、参加者の方たちは触って確認していました。
館内に移動し、「筑波山と周辺の地形」「岩石の風化の違い」を2グループに別れ交替で見学。
「筑波山と周辺の地形」では、地理院の地形データを用いて作成された、ミニ、中型、大型の各筑波山模型で体感しました。
精巧なミニ筑波山を手に話を聞く参加者の方々 |
大型立体地図を触り凹凸を確認する参加者 |
一般的な立体コピーでは難しい、細かな部分も再現できる産総研開発の立体コピー機で型を作り、そこに石膏を流し込んで作られたものだそうです。
ミニ筑波山の裏側には、方角の北がどちらか、手で触ってわかるよう工夫がありました。
もう一つのテーマ「岩石の風化の違い」。
筑波山付近の岩石と、県北ジオパーク構想の石等、茨城県各地の特徴的な岩石の実物を見学。その後、筑波山を形作る、斑レイ岩と花崗岩(かこうがん)の風化の違いについて、わかりやすいイラスト入りフリップで解説。
元は硬い花崗岩ですが、風化がはじまるとぽろぽろと崩れやすくなり、最後には崩れて砂のようになる=「真砂化(まさか)」するというお話でした。
風化した花崗岩を用意くださり、実際に触ると崩れてしまうという体験もしました。
風化した花崗岩を用意くださり、実際に触ると崩れてしまうという体験もしました。
欠けた一塊は手で簡単に粉々に |
次のツアー訪問先は、国立科学博物館 筑波実験植物園。
着いた時間は丁度お昼。植物園のお部屋をお借りし、「茨城県北ジオパーク構想応援弁当ジオ丼®」の噴火型(あたためるお弁当)をいただきました。
噴火がおさまるまでの時間で、お弁当の工夫を説明頂きました。 |
「噴火・発掘 体験型弁当」楽しい工夫いっぱいの丼です |
午後は園内でのツアー。
写真やイラスト、文字のフリップを真ん中に、読み上げ原稿を元に、声での案内と、ろう者(手話話者)による手話での案内で進行します。
案内人2人の後ろのフリップ担当者は踏み台に乗っています |
はじめに『岩石』や『鉱物』等、ジオに関連する手話単語をご紹介。参加者のみなさんもいっしょに手を動かしてくださっていました。
地質標本館も実験植物園もとても充実していて、ツアーの滞在時間ではとても回りきれていません。またの機会にぜひ、つくばに、そして両館にいらしていただければ!と思います。
ツアー終了後は開会式と基調講演。話したことを文字で表示する「要約筆記」をステージ上のスクリーンで表示しました。(客席側写真の手前側、PCの方たちが入力しています。翌日の成果発表にも要約筆記がつきました)
客席の様子。2階3階席までいっぱいです |
今回、基調講演の中田先生はじめ、UD分科会の事例紹介講師の方たち、司会進行の方、サイエンスツアーバスのガイドの方みなさんが快く情報提供くださいました。(要約筆記者・手話通訳者には守秘義務があり、頂いた情報が外に漏れることはありません)
あまり表には出ないことですが、このようなお一人お一人の理解と協力で‘UD‘な場が可能になります。ご協力ありがとうございました。