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2009年9月7日月曜日

090712 学習会報告

時間 9:30~12:30
会場 筑波技術大学春日キャンパスミーティングルーム
筑波技術大保健科学部の学生さん6名ほか計19名が参加しました。

UDペン実演しながら説明する佐藤さんUDクリエイト
http://ud-cr.com/
佐藤さんからUD-Penについてお話いただきました。

佐藤さんから、本ご紹介

『五感の力でバリアをこえる』
成松一郎著 大日本図書
http://www.d-kobo.jp/10_37.html

第3章の広瀬浩二郎さんの活動を紹介する章で、
昨年、つくばで行われたワークショップの様子が説明されています。


『LLブックを届ける~やさしく読める本を知的障害・自閉症のある読者へ』
藤澤和子、服部敦司編著
http://www.d-kobo.jp/12_33.html

墨字本(普通の文字の印刷された本)では、読みにくい読者のために
どんな本が用意できるのか、外国の取り組みや、日本で導入をすすめる方たちの
活動がわかります。
肩を並べて話を聞く参加者のみなさん
ブラインドのTさんから「書類をスキャナで読むが、その後、たくさんの紙の
なかからその資料を探し出すのが大変。どれがどの資料なのかわからない」
とのお話。
続いて、参加者でわいわい、やり取りしながらお話進めました。

佐藤さんの開発動機・方針は、「安く、シンプルで誰にでも使いやすいものを。
ブラインドの方の『自分で出来る事』を増やしたい」とのことでした。

以下、UDペンの解説と実演の記録

鳥やカエルのイラストと、突起のついた音符記号音符をペンで
タッチすると鳴き声が聴こえる。(ペン後方から音が聞こえる)
ボリュームはダイヤル式で調節可能。

(鳥の図鑑のように)データを「聞くだけ」から、
「自分で入力できる」ペンへ進化=UDペン

データは4万ギガ。
電池は10秒の録音で6時間くらい可。

Q。一度の録音時間は?
A.制限なし。ボタンを押している間中、録音できる。

服への応用買った時に、色などの情報をタグにして付けることで
後から自分ひとりで服を選ぶことができる!
服につけられる洗濯できるタグも考え中。

いかに安く、簡単にでき、簡単に取り付けられるか。
フィルムでつくったボタンやダブルクリップ等の方法、
布に貼れる布シートも試したが印刷が消えていってしまうのが難点
・・・いろいろ試行錯誤されていた。

カレンダーにはって日ごとにボイスメモすることで手帳代わりにも使える。
ペンと、○○用シール、セットにして用意することも考えている。
8/1発売予定。

技術大、鍼灸の先生方との「経穴ペン」経穴を示した人体模型の経穴ごとにタグ、
その経穴の解説をUDペンで聞くことができる。

人体模型でなくても、経穴の名前タグにペンで触れると解説を聞くことができるので、
普段の部屋での勉強にもなると学生さんに大好評。
リクエストに応え「簡単な解説編」だけでなく「詳しい解説編」もつくった。


UD-Penについての感想

「資料整理に使えそうで期待大。借りて帰って使ってみる」

「技術からブラインドの方の生活がわかり興味深かった」

「今、佐藤さんが行っているユーザー側のニーズを集約していく、
というのはとても大事。経過、それからこれからも、ぜひ『記録』してニーズを集約し、
情報を共有化していけるといい」

「技術大の学園祭で、情報発信する場を企画したい」


学習会に参加した、技術大の学生さんの感想

「今まで、自分のブラインドの立場からしか見れていないことがわかった。
車イスユーザーの話や交通バリアフリーの話など実際聞いたのは初めて
だったのできけてよかった。これから多方面に見ていけたらと思う」

「いろんな方と話ができて楽しかった。いろんな人が居るので、
いろんな角度からモノを見る事ができてよい」

2009年3月7日土曜日

タッチ&ヒアリングな技術ミーティング

タッチ&ヒアリングWS終了後、目の不自由な人もそうでない人も一緒に楽しめるよう工夫された「タッチ&ヒアリング」な技術・方法を皆さんに紹介していただきました。


【音で分かるウキ】

音で知らせるウキを開発したNPOグローバリスジャパン
http://www.npogj.com/index.html

バケツに入った水に音の出るウキを浮かべて説明するグローバリスジャパンの大内さん
目の不自由な方と一緒の釣り大会なども企画されています。ウキの動きをその方たちがわかるにはどうしたらいいか?工夫し、考えられたのが、FMを使った、音で分かるウキだったそうです。
バケツ一杯の水にウキがぷかぷか浮いています。少し離れたところにあるFMラジオから、ウキの動きにあわせて変化する音が聞こえてきます。音でウキの動きが分かる仕組みです。

目の不自由な人だけでなく、ウキが見えない、夜釣りをする人にとっても関心があるウキだそうです。
 
【タッチカービング】
 触れる樹脂のバードカービングであるタッチカービング(R)を考案した内山春雄さん。http://www.geocities.jp/mdpsv036/
カラスとトキのタッチカービングを前に来場者に説明する内山さん
彩色もあざやかなトキやカラスのタッチカービング(写真)、箱に入れたタッチカービングを触って当てるタッチボックス、点字のついたパズルなど紹介いただきました。
誰にとっても楽しめる博物館をつくるのが夢だそうです。


【さわれる天体写真】
 さわって分かる天体写真を紹介くださったのは、常磐大学コミュニティ振興学部 コミュニティ文化学科の中村正之さん。
先生の研究室のHP↓
http://tokiwa-nakamura-seminar.jp/default.aspx

さわって分かる天体写真のパネルをさわってみるブラインドの学生さん
ユニバーサルデザインがコンセプトの天文館、H20年4月にオープンした
大田原ふれあいの丘天文館
http://www.fureaino-oka.com/tenmon/index.html
のコンセプト作りから携わられておられる、天体観測のプロでもあります。


目の不自由な人と一緒に、天体観測のその場の楽しさを分かち合いたい!どうしたらいいか、と考えられたのが、天体写真を触図にし、形を伝え共有する、という方法だったそうです。
そこから発展、天体写真とその触図、墨字と点字の解説を一つのパネルにまとめるという展示方法を考えられたそうです。

 生涯学習が専門の中村先生。「生涯学習を、99,7%の人が楽しめるものではなく、100%の人が楽しめるものに。」とお話くださいました。
写真は、星座のパネルを技術大の学生さんが触ってみているところです。

 
【ボイスペン】
 ボイスペンを紹介くださったのは佐藤文信さん(ユーディ・クリエイト株式会社)。
紙に印刷された数ミリのコードを「ボイスペン」の先でふれるとそのペンから情報の音声が流れる仕組みです。
ユーディーペンの説明をする佐藤さん
これまで日本野鳥の会とタイアップして、ボイスペンで触ると鳥の声が聞こえる
「バードボイスセット」
http://c05.future-shop.jp/fs/wildbird/gr110/gd1692
を開発されたそうです。その技術を使った語学教材なども、あるそうです。
 点字を使わない目の不自由な方も多く、その方たちにとって音声で解説が聞けることは、とても大切です。前出の、中村正之先生の「さわれる天体写真」パネルに、ボイスペンで音声解説も聞けるようにしたものなども中村先生と一緒に作られているそうです。
手軽に、自分で必要な情報をボイスペンに録音することが出来るものを改良中とのことで、いろいろな使い方が期待されます。

 
【ハンズオン展示】
ミュージアムパーク茨城県自然博物館
http://www.nat.pref.ibaraki.jp/g/event/untitled.html
は、ハンズオン展示で、目の不自由な方も楽しめるハートフルミュージアムを開いたり、移動できるハンズオン資料で県内の盲学校やいろんな学校を訪ねる活動もしています。
数種類の木の実の違いをさわって楽しむ
今回、ハンズオン資料の一部を紹介くださいました。写真は、大きなヤシの実や香りのする植物、それから4つのかごの中にはそれぞれ違う種類のどんぐりがあり、それをさわってみています。
どれも、目の不自由な人と一緒に楽しみたい!と工夫された技術・方法ですが、その便利さ、面白さ・楽しさは、目の不自由な方たちだけでなく、誰にとっても、その人の世界と可能性を広げてくれるものと実感しました。